それでも許す、というのが正にぴったりだろう、この作品の場合。
1985年3月~1986年2月にテレビ放送されていた全50話分を、劇場版三部作で
上映するその第一作目というお話。
機動戦士Zガンダム -星を継ぐ者-
製作:吉井孝幸、企画:内田健二、原案:矢立肇、原作・脚本・絵コンテ・総監督:富野由悠季、キャラクターデザイン:安彦良和、メカニカルデザイン:大河原邦男・藤田一巳
声の出演:池田秀一(シャア・アズナブル)、飛田展男(カミーユ・ビダン)、古谷徹(アムロ・レイ)、鈴置洋孝(ブライト・ノア)、古川登志夫(カイ・シデン)、鵜飼るみ子(フラウ・コバヤシ)他
バンダイビジュアル/2005-10-28
おすすめ平均
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あたしは当時、さすがにいい歳だったから、テレビではところどころ観ていた程度で、
どんなお話だったか、あまり憶えていなかったんだけど、問題はそういうことじゃない。
鑑賞したのは実は昨日(6/2)なのだが、この作品を映画としてどう評価すべきかを
かなり悩んでいて、遅くなった。
良いか悪いか、好きかキライか、それしかないはずのあたしが、なぜそんなに悩むのか、
それは、あたしがガンダムという作品を、それなりに認めて、好きだからに相違ない。
★★
作画が、20年前のテレビ放送で使用した旧作部分と、
今回の作品のために描いた新作部分のあまりの違いに、不愉快な気分になる。
全編通して、荒れた作画を修正する、という程度にしてもらいたかったが、
思いっきり、力入れて言うけど、登場人物の顔がシーンで違う。
確かに新作部分は美しいので、恐らくガンダムフリークはこれを許すだろう。
というより、描き直した部分や描き足した部分をむしろ褒めるのだろう。
しかし映画として作品の全体をきちんと観れば、これはありえない話なのだ。
あたしが期待したのは「機動戦士ガンダムIII-めぐりあい宇宙-」のように、
全編通じてどれも美しくなった、安定感のある、クオリティの高い映像で、
それ以外は特にどうでも良かったために、打ちひしがれたのだ。
「~めぐりあい宇宙」は全編に渡って、それぞれの場面ひとつひとつが感動に値する。
特に、アムロ・レイとララァ・スンが初めて出会う雨降りの池の白鳥のシーンや、
シャア・アズナブルとセイラ・マスの兄妹が、荒れたコロニーで再会・別離する場面などは、
思い出しても涙が出るほど美しい。あんなのが観たかった!
どうでもいいんですが、これらのシーンは音楽もとてもいいのだ。
次に、この作品の上映時間は95分だ。なんで?どうして?予算か?うそだろ?
14話分もあるんだし、観る人のほとんどがそういう人なんだし、
あと20分や30分伸びても誰も文句言わずに観ただろうに、
多分映画は2時間あると長い、とかスタッフの誰かが言ったんじゃないの~?
おかげでもっと表現できる機微や心情、物語を救えなかったんじゃないかと思うと残念。
「機動戦士ガンダムII-哀・戦士-」で見せてくれた富野マジックはどこに行ったんだ。
富野監督曰く、新訳、とした意味は、オリジナルから20年が経った今、
この劇場3部作を「新しい物語」と位置づけるためなのだそうだ。
しかし、これは個人的な感想ではあるが、
>>突然登場するクワトロの百式
>>ライラ・ミラ・ライラの最期
>>ライラ、ライラとあまりにも煩いジェリド・メサ
>>エマ・シーンが唐突に始める“シャア・アズナブル”に関する異常なほど詳しい、
彼の妹の話にまでも及ぶほどの説明話
>>地球に下りたかと思えば、何の仕事もせずに急に囚われてるレコア・ロンド
>>そのレコアと一緒に囚われた状態で突然登場するカイ・シデン
>>アウドムラで再会したカイとハヤト・コバヤシがする内緒話
>>その話の中で、クワトロ・バジーナを「独裁志向の男じゃない」と言い切るハヤト
>>「バカ」と称しておいて、シャアと知れば、偉大な人と思ってしまうカミーユ・ビダン
>>民間の輸送機でブラン・ブルタークのアッシマーに突っ込むアムロ・レイが
無意識にシャアに向かって言うセリフ
などなど、思いつくだけでもここら辺りは、あくまでも個人的にですが、
表情とセリフがチグハグに感じたり、会話そのものに疑問を感じたり、
もともと持っていたイメージを打ち砕かれるセリフや芝居が飛び出したりと、
やたら悪い意味でシンプルになり、お陰で深みを失ってしまった早いだけの展開に、
すっかり傷ついて乾いてしまいました。(涙)
それでもあたしは、監督の言うその「新訳」の意味は尊重して、
ガンダム#1シリーズ完結作『逆襲のシャア』へと続く「新しい位置づけの物語」として、
この先あと2本も、生温かく見守りたいと思っています。
だけど、せめて、一作品に出る一人のキャラは、同じ顔にしていただきたい。
これはお願いしておきたいぞ、と。
追記:
オープニングで、シャア、カミーユ、アムロ、ブライト、カイ、フラウの声の出演だけ
表示されるのが、なんだか底知れぬ貫禄を感じて、すごくイイんだけど。
あと、ハヤト・コバヤシは声が変わっていましたが、あたしはとても好感が持てたけど。


hakoちゃん、ご無沙汰。こんばんは。
あなたのシャア好きを初めて知ったわ。
でも、カイ・シデンのことなら放っておいて。
これ以上カレに何をさせたいの?もう充分やったでしょ。ふふん。
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しずちゃん、ご無沙汰。観てきました、ガンダム。
劇場でアニメーション映画を観るのは、どのくらい久し振りか、忘れました。でも、私はこれでもガンダムには詳しいから、久し振りでもついていけたわ。主人はNGだって。まあ、そうだろうな。
でも機動戦士ガンダムの3部作もそうだったけど、後へ行くほど絵が描きなおされたから、こちらもきっとそうなのよ。
それにシャアを主役にした「新訳」ってことで、お話も少し変わるだろうし、シャアが大好きな私には、この3部作は、それはそれで楽しみよね。
そういうわけだから、カイ・シデンにはもっと働いていただきたいの(笑)。戦争と直接関係のない人って、物語の中で、大事な役割を担うべきよ。そうは思わない?でなければ長生きする意味って何?悪く思わないでね。使える存在なんだもの。だから、しずちゃんの言う劇中でエマ・シーンが語る異常に詳しいシャア・アズナブルに関する話に出てくる「地球に流れて行った妹」も出てくるべきよね。
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Zガンダム─作画なんて飾りです!?
日曜のデート前に見に行ったわけですが、新作部分が多いっつっても、旧作部分が大半を占めるわけで、ぶっちゃけ違和感アリアリ。あと音楽を使っての見せ場の演出、激しくヘタ!でも、新作部分の戦闘シーンは、こりゃもう明らかにレベル高め。地球降下戦とアッシマー戦。これ
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