南極料理人 [DVD]
監督・脚本:沖田修一
原作:西村淳
主題歌:ユニコーン
出演:堺雅人、生瀬勝久、きたろう、高良健吾、豊原功補、古舘寛治、黒田大輔、小浜正寛、小出早織、西田尚美、宇梶剛士、嶋田久作ほか
バンダイビジュアル/2010-02-23
おすすめ平均
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2010.09.10/TAUTAYA DISCUS
★★★★☆
実に、何も起こらない。
大袈裟な感動も特別な事件もなく、南極での観測隊8人の日常(としか言い方がない)が描かれるだけなんだけど、これが何だか良い。
なんせ、南極、しかも標高3800mぐらいで平均で氷点下54度の、最悪の極寒地なもんで、何もない。水も原料(雪というか氷?)から毎日作る。そんな環境で約1年半、毎日毎日任務の観測仕事を行う人たちにとって「食」は生活の中心と言ってもいい。海上保安庁から派遣された、堺雅人さん演じる調理担当の西村隊員は、そんな非常に特殊な環境の中、限られた食材で一生懸命隊員たちの食事を一日3回、きっちり作り続けます。
この映画はそれだけなんだけど、決して料理の映画ではない。
料理が露骨にアップになって「わー、美味しそう」とかそういう描写はない。大袈裟な「うまい」のセリフもない。多分、南極の場面では誰も「うまい」と料理を褒めなかった気がする。ただ、出された料理を残さずに時々頷いたりしながらガツガツ食する描写とそれを嬉しそうに眺める西村隊員の表情だけがあった気がする。
とにかく、それだけ。
けれど、この環境のこと、食事のこと、そして隊員1人1人の背景や気持ちのこと、そんなことを考えながら、丁寧に観るとじわっと何かがこみ上げてくるような作品で私は好きでした。そしてもうひとつ付け加えるなら、主役陣はもちろん、脇の脇まで役者さんたちが上手なことにも満足します。おすすめです。
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