藁の楯

★★★★☆  
2013.06.12/丸の内ピカデリー3

藁の楯 [DVD] 藁の楯 [DVD]監督:三池崇史
出演:大沢たかお、松島菜々子、藤原竜也、永山絢斗、岸谷五郎、伊武雅刀、本田博太郎、余貴美子、山﨑努ほか
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この映画はなかなかおもしろいですよ。突っ込みどころは当然あるんですが、キャスト・スタッフ・内容などの予備知識まるでゼロで映画館に駆け込み、本編にぎりぎり間に合って観たそのままの感想としては、久しぶりに骨のある日本映画を見たな、という感じでしょうか。
『十三人の刺客』以来かなぁ、と思っていたら、監督が同じ三池さんだったという。
で、この先は結構ネタバレしてしまいましたので、観る人は読まないべきです。
 


 
 
 
私は三池崇史監督と言うだけでやや贔屓目に見てしまうところがある、
ということは、はじめにお断りしておきまして、、、、。

7歳の女児をひどい暴行によって殺害し逃走中の性犯罪者・清丸国英に、被害女児の祖父が10億の懸賞金をかける。「殺してください」という条件で。10億の懸賞金がかかっている男をとにかく寄ってたかって殺そうとする国民たち。匿っていた男にすら殺されかかって出頭した清丸。出頭先の福岡から桜田門まで警察は、彼の誤送のためSP2名と刑事3名を護衛につける。しかし10億円の懸賞金ですから、誰も信用できない。警察官であろうがなんであろうが、殺しに来る。それを守らなければならない。

守られる男は性的変態ど真ん中の猟奇殺人者で狂人で、絶対に懲りないような男。こんなクズみたいな男を、命がけで守る価値などあるのか?護衛の5人はその疑問と、そして襲い掛かる懸賞金目当ての人々と戦い続け、一人、また一人と護衛任務につけない状態になっていく。

・・・・・・・

このネタ、なかなかいいと思いません?
かつてハリウッドではイケメン俳優オリビエ・マルティネスが凶悪犯で逃がしてくれたやつに大金を払うと言って、SWATを危険にさらす映画があったかと。少し違いますが、発想は同じですね。

私は本当に、珍しく、下調べもなく、どんな映画なのか全く知らないで映画館に観に行ったから、冒頭でかなりの期待感があった。
役者が揃う。犯人と対面、誤送が開始。いろいろとまあ予想通りのことが起きる。

えー、ここで死ぬの?
えー、もう退場なの?
うそ、やっぱりあんたなの?

とここまでは坂を上るように、緊迫感と意外性とスピード感を楽しめる。でもいろいろあって、護衛任務に就いていられるのが、SPを演じる大沢たかおと松嶋菜々子の二人になってしまってからは、観ている私の気分もちょっと下り坂になってきてしまって惜しい。何にせよ、まさか劇場で観ようとは思いもしなかった作品なだけに、まあこのぐらい楽しめたら儲けものでしょう、と。どんな原作なのか、ちょっと読んでみようと思った。

それにしても、たった10億円ぐらいで人を殺そうなんて思うものなのだろうか?

映画に登場する殺しにくる人はみな、金に困って家族の為にクズを殺して10億得ようとする。他人を殺してもらうお金で幸せになれるはずもなかろうに。たとえ、対象がどうにもならないクズな人間でも、だからこそなおさら、そんなやつに手をかけるなど、汚点にしかならない。
 
まあ、今も仇討ちが正当な時代ならば、このじいさんが変態を殺すのは止めないが。このじいさんですが、警察上層部まで操れるぐらいのとてつもない金持ちのドン。でも心臓が悪くて、死が近いらしく、1人で歩くことも大変な感じ。ラストの歩く芝居だけで、私は泣いたよ、山﨑さんは巧すぎる。蛇足ですが、私の好物“イケメン”は本作では永山絢斗くんです。良かったわmoe

藁の楯” への2件のフィードバック

  1. ピンバック: 無限の住人 – cinelog

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