★★★★
2017.4.29/TOHOシネマズ日本橋
木村拓哉 映画 無限の住人 フライヤー ![]()
Johnny&Associates.
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無限の住人 コミック 全30巻完結セット (アフタヌーンKC)
沙村 広明講談社 2013-02-22
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とにかく斬って斬って斬って斬って斬り捲る映画。
率直に言って、コミックが原作の作品を映像化してそれが賞賛を浴びるのは、いろいろな意味で難しいことでしょう。本作ももちろんそれは叶わないと思います。でも、やはり何かいいところを見つけたいというのが心情。そういう意味ではたくさんいいところがある作品と言えますので、観たいな、観ようかな、と思っている人なら観ても後悔はしないでしょう。
そもそも本作の原作は30巻あるのですよ。2時間数分にまとめるのは不可能です。そういう側面から見ると、深みがなくなっても決して責められないんだけど、要するに、とても悲しくて切ないさだめの中で生き続ける主人公の『万次(卍)』が、やはり悲しいヒロイン『凛』のために、その無限の命を遣い、珍しい何種類もの刃物で、彼女を脅かす敵を斬り捲り、彼女の仇討ちを達成させる、という主軸はきちんと描けていたのではないかと思います。キャラクターの感じも原作コミックと近く、それぞれ演者の皆さんもお上手でした。楽しめましたよ、それなりに。
木村さんは見事でした。「万次」だったかどうか、の感想は人ぞれぞれだと思いますが、ある一定の熱を持って真摯に演じる木村さんのスタンスというか、そういう何か良いものは伝わりました。ヒロインを演じる杉咲花さんもとても良かったと思います。私はね。
ただ、まあ、好き嫌いの話で言えば、本作に直接関係はないですが、三池作品としては下から数えた方が早いですかね。やはり、山田孝之も小栗旬も綾野剛もいない三池作品は新鮮なんだけど、常連のいる三池作品がやはり好きだし、常連のいないその新鮮な三池作品として比較しても「藁の盾」(・・・こちらも原作は漫画家の書いた小説作品なんだけど。)には叶わなかったなぁ、と思いました。

