轢き逃げ 最高の最悪な日

★★★☆/2022.10.2/Prime Video

水谷豊監督作品。

娘が轢き逃げされて、彼女の日記から何があったのか知りたくて探っていく父親、水谷豊が演じています、の話ですが、冒頭の方の人を轢いて、生死も確認せず逃げて、テレビで事件を見て、被害者が病院で亡くなったことも知って、そんな状況でも黙って普通に生活をしていられる轢き逃げ犯、しかも結婚式を3日後ぐらいに控えているわけなのだが、その男と、あとその時に同乗していた友人男性、逃げるのを止めなかったわけだが、その2人の気持ちってどんな思いなのか?と考えさせられてしまって、もちろんよくは判らないんだけど、なんというか、気分が悪くなってくるんです。耐えられないだろうに、って思って。

とにかくそのイヤな気分でしばらく観続けるんですよ。そのイヤな気分の間も、何がいやって、同乗していた友人の方がとにかく気持ち悪い。そういう印象を持つんですよ。知らない俳優さんだけどたまにドラマや映画では見かけていると思いますが、多分演技が上手いんだと思う、とにかく気持ち悪い。この気持ち悪いには意味があったんだと鑑賞を進めていくと納得がいきます。

で、結局二人は轢き逃げから4日後、結婚式の翌日?なのかな、スピード逮捕される。そして逮捕の報告と被害者の遺品の返却のため、岸部一徳演じるベテラン刑事が毎熊克哉演じる部下といっしょにやってきて、その最後に一徳が

「娘さんの携帯が見つかっていません。ご自宅にありますか?」

と遺族の水谷とその妻(檀ふみ)に問うんですよ。そこでこっちの気分ががらっと変わります。いきなりミステリーに転じたような気分になってきて、轢き逃げはこのミステリーとどう関係あるのか???とかちょっと期待したりして、さっきまでの嫌な気分がさっと晴れます。

ドラマとして、またサスペンスチックな展開としても、そうですね、地味な作品なんですけど、悪くはないと思います。出演者には私の知らない俳優さんが多いのですが、それももしかしたらこの映画の雰囲気を作り上げているのかもですね。

暇なときお家で見るにはいいと思います。退屈はしませんでした。

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