室井慎次 敗れざる者(前編)/ 生き続ける者(後編)

敗れざる者:★★★☆/2024.10.19/TOHOシネマズ日本橋

生き続ける者:★★★☆/2024.11.16/TOHOシネマズ日本橋

両方合わせると232分になるのですが、上映時間。

この先、思いっきりネタバレいたします。

 

 

 

 

 

もともとあまり下調べをしてから鑑賞する方ではないのですが、今回は驚いた、マジでびっくりした。予想と全然違う映画だった。捕物ナシ(私的にはナシに等しい)。言うなれば本作は『室井さんと田舎で暮らそう(前・後編)』である。いやマジでそんな映画。なので、特に後編では鑑賞中ずーーーーっと脳内では『えーーーー、うっそーーーーん、捜査はどうなった??ええええええーーーーー??ちょっ・・うそでしょ、これって北の国から?いや、確かに北だけどさ、で、事件は???え、事件もうないの?えええーーーー?』となっていて、そして死んだ。いえ、私ではありません、室井さんデス。

青島くんとの約束を果たせぬまま警察をやめて秋田の人里離れた山奥に引っ越して、犯罪被害者・加害者の子供である少年ふたり(小学生と高校生)の面倒をみながら一緒に暮らす室井さん。ある日そんな田舎の室井さんの山小屋みたいな家のすぐそばで、封鎖できなかったレインボーブリッジ事件の時の犯人のひとりの死体が埋まっているのを発見します。早速捜査本部が立って室井さんの知り合いたちもゾロゾロきて室井さんに捜査協力を依頼したりするわけです。同じ頃、里親に見放された問題少女が室井さんのお家に迷い込んできます。これが実は例の小泉今日子の娘で、結局彼女も室井さんと一緒に住むことになり、飼い犬のシンペイを入れて4人と1匹の暮らしが展開されますが、きょんきょんの娘は問題児でいろいろな悪意を発揮。小学生の少年の父親も出所。そんなある日、室井さん家の納屋が全焼します。   (ここまで前編)

排他的な田舎の村で周辺からもあまりよく思われていない室井さんですが、どんなことがあっても一緒に暮らす3人を一番に考え、家族として大事に守ることを優先。そんな4人と1匹の生活がずーーーーーーーーーーーーっと展開、協力していた捜査も犯人が捕まって一件落着。そして小学生の方の出所した父親がやってきます。さんざん息子に暴力をふるった父親ですが、行政は子供を父親に戻すよう結論します。室井さんは父親に子供に手をあげないよう頼み子供は父親に戻されますが、すぐに暴力を振るわれた子供が自力で室井さんの家に逃げ戻ってきます。翌日、父親も子供を返せ、とやってきます。斧を手にした父親と揉み合う室井さん。そこに警官が到着、父親は逮捕され、室井さんは犬を探しに吹雪の中へ。そして犬は戻り、室井さんは帰らぬ人に。青島くんとの約束は秋田県警の本部長に転属してきた新城が代わりに果たし、子供たちはすっかり室井さんに絆された村人たちに守られながら3人で暮らすのでした。終わり。

自分の想像とのギャップが激しかったというだけで、愚作とかではないですよ、決して。泣きどころはすべて回収したと思うし。要するに、田舎で子供の面倒見るというのはあくまでも現状の室井慎次の背景であり、そんな中で、室井さんが昔の事件をベースに、事件解決に奔走する映画かと思っていた私が悪い。前編を見終わってでさえも、さあ、後編は室井さんが解決するよー、とか思っていた、室井のファンでもないのに、そんな私が愚かでした。

ただ、私はちょっと思っている。別に室井さんを好きではないし、思い入れのあるキャラクターってわけでもないが、ここで死んじゃって、こんな最期で良かったのか??ということだ。いやヘビーな踊るファンの方々に、これでいい、と言われれば納得もいたしますが、なんかちょっと気に入らん。

大いなる勘違いと違和感ある重要キャラクターの最期に直面しても、なおかつ私が憤慨もせずに穏やかにいられるのは、多分松下洸平のおかげである。そう、あの地味顔俳優が好きだ、大好きなのだ、ライブも行った。だから前編最後の方に彼が出てきた時は、びっくりして興奮したし。だから後編はもうかなり出るだろうと、期待していたし。思ったほどではなかったけどね。だって、ほら、室井さんと田舎で暮らそう、みたいな作品だったから。

でも、大丈夫。エンドロール後に真打が登場したんです、青島くん(織田裕二)です。青島くんが主役のスピンオフがありそう、本当かどうかはわからないけどね、と同行者に聞いたばかりだったんですが、ありそうじゃん、本当っぽいじゃんというエンドロール後のラストでした。

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